TOWN介護4月号にケアーズ太田中央訪問看護ステーションについての取材記事が掲載されました。
ケアーズ太田中央訪問看護ステーションについてはこちら
下記は取材記事の書き起こしです。
地域をよく知る老舗電器店だから、お年寄りの暮らしをサポートしたい
太田市由良町に拠点を構える「ケアーズ太田中央訪問介護ステーション」の運営母体は、創業60周年の老舗電器店「タカラ電器」。電器製品から太陽光、携帯電話まで幅広い事業展開を行なっている。量販店でない「町の電気屋さん」なので、お客様と深いつながりを持っている。電球一個の交換でも電話一本で駆けつける。
地域の人々と深い関わりを持つだけに、実際のお年寄りの生活をよく知っている。家の中に入ることの多い電気屋だからこそ、高齢者の暮らしの実態が分かるのだ。テレビの調整に来たのに、病院のことを聞かれたりする。健康の話題も多い。そんな体験が積み重なり、3年前から訪問介護事業をスタートさせた。
「お年寄りの暮らしを知っているので、介護事業には関心がありました」とタカラ電器の新井あけみ代表は話す。「福祉住環境コーディネーターによるリフォームもやっているので、足が不自由な方のために、バリアフリーの工事をしたり、補聴器を調整したりします。だんだん体の自由がきかなくなってくると、施設に行かざるを得ない。でも皆さん『家で暮らしたいよ』とおっしゃるんです。ならば、医療も介護もできる訪問介護をしようと、ステーションを立ち上げたのです」と、新井代表は語る。
「家で暮らしたい」というお年寄りをサポートする場合、暮らし全体を考える必要がある。リハビリ、理学療法、医療、食事などはもちろんだが、建物や設備も重要だ。段差を無くし、手すりを付けるといったバリアフリーは当然だが、快適な室内空間のための空調設備、安全で使いやすいキッチン周りも「家で暮らす」大事な要素だ。
人と人の気持ちの通い合いが、介護の出発点
ケアーズ太田中央訪問介護ステーションの江崎管理者は、介護師の立場から訪問介護にかける思いをこう語る。「利用者さんは、赤の他人に世話をされるわけで、最初は緊張したり、不安もあります。それを解きほぐし、心と心のふれあいができる人間関係を築くのが大事ですね。会話の重要性を痛感します」
「お年寄りは、自分の要望や気持ちをはっきりと言えないことも多いのです。でも、気持ちがよりそえば、自然に言いたいことがわかってくるんですね。『痛い』『つらい』は、体の症状である以上に、寂しさなどの心の表現である場合も多いのです。それを理解できるようになりたいですね。だから、帰るとき『ありがとう』の一言を聞くと、胸がじんとします」と江崎管理者は説明する。
地域の方への思いがすべて
利用者さんは、電器店のころから長く付き合ってきたお客様も多くいる。開所当初「あのタカラ電器さんがやっているなら」という信用から利用する方も多かった。現在では、開所当初からの利用者さんを一人一人しっかりケアすることで信頼を繋ぎ、ケアマネージャーや医療関係者からの紹介から訪問介護を利用する方も増えている。
作業療法も好評で、介護とリハビリの両方で使う方も多い。堅苦しいリハビリテーションではなく、遊び感覚でできるプログラムが人気だ。
「基本は、人と人とのつながり、コミュニケーションですね」と新井代表は強調する。以前、学校から子どもが帰ってくると、近所の人たちが「今日は何勉強した?」などと声をかけた。お年寄りにも「おばあちゃん、元気?」と地域で見守った。そうしたあたたかいつながりを大事にしている。
また、利用者さんご本人以外にも、周りのご家族のケアも心がける。介護に当たるご家族のストレスや疲労も大きなテーマである。頑張り過ぎないようにアドバイスすることもある。
お年寄りの中には、介護保険の仕組みや申請の仕方がよく分からない方も多いので、認定の仕方から、ケアマネとのと対応の仕方など全てのサポートを行う。
「利用者さんへの感謝の気持ちを忘れないように、月に一回『ありがとう』というチラシを制作しています。まずは、気軽に声をかけてください。どんな相談にも応じられます」と新井代表は話してくれた。